カネミ油症の次世代被害調査

2021年1月30日(土)、カネミ油症の被害者団体、国(厚生労働省・農林水産省)、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)による第16回三者協議がオンラインで開催された。
この会議で国は、認定患者の子どもらの健康被害について調査する方針を示した。被害者側は、この調査に協力する旨を伝えるとともに、調査対象について子世代に加えて孫世代も含めるように要望した。
調査の対象や手法等については、今後、全国油症治療研究班(事務局:九州大学)を中心に検討される。

この動きを国に促したのは、カネミ油症被害者支援センター(YSC)による次世代被害者調査であった。49名を対象としたこの自主調査では、次世代の被害が油症と認定されている被害者と一致する傾向が見られた。
被害者団体とYSCは、この調査結果をもとに救済拡大を国に要望したところ、今回の動きへとつながったのである。

カネミ油症は、認定患者の高齢化・減少とともに、この理不尽な食品公害が社会から忘れられ、救済制度は改善されないまま、幕引きされていくような流れだったが、ここにきて変化の兆しが見られる。

被害が次世代にも及ぶことが明らかになれば、救済制度全体に関わる。もし、そうなれば、カネミ油症だけではなく、水俣病など他の公害病の次世代救済に波及するかもしれない。
ただ、かりに次世代被害を救済できるようになっても、根治療法が確立されない限り、原因物質を体内に取り込んだ方々の身体が回復するわけではない。

油症の原因物質であるPCB・ダイオキシン類は難分解性物質と呼ばれる。体内を含む環境の中で分解されないものは、生命系の物質循環の仕組みに入らないので、持続可能な社会にそぐわない。
この問題は、持続可能性という観点からも注目される。

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