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戦争について考える企画2本

8月には戦争について考える講座を2本企画しました。
ロシアのウクライナ侵攻に刺激されて、安全保障をめぐる粗雑な議論が横行しているので、今回の企画では一人ずつの人生に迫り、その文学表現を読み解きながら戦争について考えます。
※①の参加を申し込まれた方を②に無料招待します。

①8/9(火)「詩人・福田須磨子(1922-1974)と長崎原爆」
ゲスト:友澤悠季さん(長崎大学)

長崎原爆を生きのびた人びとにとって1945年8月9日はあくまで始点である。怪我の癒えないうちから働き口を探し、なんとか生活を立ててきた。その中の一人、福田須磨子には、生涯に三冊の詩集と、『われなお生きてあり』(初版1968年)があるが、52歳で亡くなった彼女の名を知る機会は、長崎県内でも多くはない。その詩作はなにを訴えかけるのか。いくつかの作品を題材に、戦後の彼女の暮らしぶりと精神の一端を読み解いてみたい。

参加費:2,000円(学生1,000円) ※6回コース9,000円
主催:新時代アジアピースアカデミー

②8/12(木祝)「軍医の見た戦争 ― 歌人・米川稔の生涯」
ゲスト:松村正直さん(歌人)

米川稔(1897-1944)は北原白秋の結社「多磨」に所属する歌人で、本業は産婦人科医。1942年に45歳で召集され、軍医としてニューギニア島の東部に渡りました。ここはマラリアや飢餓のために多くの兵が苦しみ、生存者はわずか7%であったと言われる地域です。

  • 瀬戸物などの毀(こは)れしごとく死にてゆくこの死(しに)ざまを何とか言はむ
  • 密林の長き夜ごろをさめやすく鼠額(ぬか)を超え蜥蜴は脛(すね)を這ふ
  • 爆弾破片に傷(やぶ)れし病床日誌を展(の)べ戦死を誌すその二日のちに

米川はこうした生々しい作品を現地で詠み、短歌誌に次々と発表しました。そして1944年に「病衰のために行軍不能に陥り」自決したと伝えられています。彼の残した短歌を読みながら、一個人が戦争をどのように見たのか、また戦争が個人の人生をどのように変えてしまうのかについて考えたいと思います。

参加費:1,000円
主催:野兎舎

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